2015年4月20日、今日はおでかけ。 午前中の作業を終えてお昼ご飯。アンヘリカ特製の魚のフリットを食べた。今日でアンヘリカのごはんを食べるのも最後なので記念に写真を撮った。毎日おいしいごはんをありがとう。
午後少しだけ作業をしたあとで僕らとルイ、そしてココの4人で近場にあるぶどう畑を見に行った。
事前にどんなところかをほとんど聞かないままルイのピックアップトラックでドライブ。舗装された道路から脇道に、そしてすぐオフロードに入っていく。まったくナビも地図も見ないで助手席に座ったココと話しながら車を走らせるルイ。少しすると目の前にゲートが現れる。ココが車から降りてそこを開ける。
さらに進むと家があり、その前に車を止めてクラクションを鳴らす。家の中から人が出て来てニコニコと挨拶をかわす。 ルイはチリでワインを作りはじめてから10年。自分で畑を持たず、古いぶどうの樹を持っている農家さんからぶどうを買ってワインを作っている。最初は苦労したらしいが、今ではどこの農家さんに行っても笑顔で迎えてもらっている。農家さんに行った時のルイの印象は愛想のいい営業マン。真剣にワインの話をするけど、冗談言って笑わせたりもしてる。
農家の納屋では収穫したぶどうでワインも作っている。行った時にちょうど収穫したぶどうの除梗をしていた。機械ではなくて昔ながらのやり方。大きな樽の上に竹で作ったすだれを敷いて、その上でぶどうを踏む。ぶどうの粒や果汁は竹の隙間から樽の中に入り、ぶどうの房部分は竹の上に残る。天井の梁につかまって「わっせわっせ」とぶどうを踏んでいるおじさん。そのおじさんの足下にぶどうを持ち上げてぶちまけるおじさん。そのおじさんの足下からぶどうの房部分を引き寄せるおじさん。数百年前から続くワイン作りが目の前で行われていた。

ひんやりとした土壁の倉庫の中には木樽が並んでいる。その樽の中でゆっくりと発酵が進んでいる。樽の上になにかふんわりしたものが乗っている。よく見るとぶどうの房が丸めて乗せられている。虫やほこりが入らないようになっていながらも、発酵で発生した二酸化炭素は外に出て行く。昔ながらの知恵。そして、それはなんだか美しい。

農家のおじさんと一緒にぶどう畑を見に行く。車が止まったその場所はこれまで見たぶどう畑とは全く違う景色。一面にぶどうの葉が敷き詰められたところにおじさんとルイはどんどん歩いていく。葉っぱをよけると下から岩のようなぶどうの樹が現れる。樹齢数百年のぶどうの樹は地面の上でダイナミックにうねっている。おじさんの家は代々このぶどう畑を守って生きている。毎年この樹を手入れし、その果実でワインを作るという繰り返し。そして「今年はうまい!」とか「味がちょっと薄いな」とか言いながら出来たワインを僕らにふるまってくれる。

収穫期だけの楽しみがぶどうジュースがワインに変わる途中の「チチャ」という飲物。アルコール度数が低く、甘くて飲みやすい。ニコニコしながら「チチャ飲むか?」とどんどん注いでもらって、そのあとで去年のワインも飲ませてもらって、ココとふたりでピックアップトラックの荷台に乗って空を見てる時の気持ちいい空気はずっと忘れられないと思う。 ワインについて真剣に語り合うココとシュン。この2人が近い将来、さらに美味しいワインをチリから日本に届けてくれると思う。
遠き昔のワイナリー、つづきます。

About The Author
Roppei
将来の飲食店開店を目指して大学卒業後、高級スーパーマーケットに就職。野菜売場、乳日配売場を担当して食材の面白さを肌で感じる。鹿児島に移住するタイミングで転職。飲食店向け広告営業をやりつつ、鹿児島の街を元気にする活動に色々参加するうちに鹿児島で自分の飲食店をやりたいと思い始める。飲食店の現場で修業したいと思い、再び東京に。丸の内にある大型繁盛店で基礎基本を叩き込んでいただく。その後、自分の独立したい形に限りなく近い小さくて強いお店を何店舗も運営している会社に転職。2014年10月で退職し、世界一周旅行へ。
日本に戻ったら、鹿児島でワイン居酒屋を開店。鹿児島の街を元気にする活動を再開!
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