グアテマラ、12月30日、夜。 in Guatemala,December 30th,at night.

メキシコの南にある国、グアテマラ。旅に出るまではこの国について何も知りませんでした。
アメリカから入ってメキシコ、そしてキューバと旅するうちになんだかこれらの国の歴史がとても気になってきて、キューバでは革命博物館、そしてメキシコではチチェンイツァと自分の中ではあまり予定していなかった場所にも足を運びました。Wikipediaで各国の歴史の項を読んでみたりもしました。
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学生時代に授業で習った知識にプラスして図書館、図書室で読み漁った歴史の漫画や本。その中からは見つけられなかった歴史がまだまだこの世界にはたくさんあるということを少しずつですが学んでいます。とても面白く、そして心が痛くなる、そんな歴史がここ中米にはありました。
メキシコの内戦が終わったのが1934年、キューバの内戦が終わったのが1959年、グアテマラの内戦が終わったのが1996年。
ということはメキシコのひいじいちゃんひいばあちゃん世代、キューバのおじいちゃんおばあちゃん世代、そしてグアテマラはお父さんお母さん世代までが戦争状態を経験しているということ。しかも内戦。虐殺、ゲリラ、粛正。長期にわたるいつ終わるかも分からない戦い。そんなことを経験しているのに、グアテマラのお父さんお母さんはとても明るく、こちらが元気をもらうような人たちもたくさんいます。
メキシコでは今でも格差の是正、貧困の解消を目指したサパティスタという人たちが南部地域で武装戦闘状態にあるとも言われています。グアテマラでも、そしてキューバでも格差はとても感じます。
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スペイン語学校のノルマン先生は31歳。きれいな英語とスペイン語、そして自分たちの言葉「スツヒル」というマヤ語を話すトリリンガル。教え方もすばらしく分かりやすく、本当に真摯に接してくれています。生徒である僕たちのことを考えてちょっとずつしつこくでも確実に上達するように考えて毎回授業にのぞんでくれます。
このすばらしい能力でもっと稼げるのではと考えてしまいます。
実際にうちの奥さんの後輩で『スパニッシモ』というインターネットでスペイン語を教えてくれるサービス(※下記にリンクあります)をグアテマラで立ち上げて日本で展開しはじめている人もいます。グアテマラの人たちにとって条件のいい素敵な仕事を作り出しているのだと思います。
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グアテマラ産の高品質なコーヒーやチョコレート。日本のスターバックスでも「グアテマラアンティグア」というコーヒー豆が売られていたり、有名なショコラティエがこぞってグアテマラのカカオを使っていたりします。今滞在している街でもそこかしこでコーヒーの実が収穫され、天日干しされ、何とも言えない酸っぱいにおいを漂わせながら徐々に乾燥し、ぷりんと剥かれて白い豆になり、また天日干しされ…と手間ひまかけられています。カカオは実際見に行けてませんが、ジャングルの奥にある農園まで見に行くことも出来るそうです。60年以上前に始まったフェアトレードという動きがどんどん盛んになってきて、農園で働く人たちの暮らしもずいぶんと楽になってきたと言われています。
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今滞在しているのはサンペドロ・ラ・ラグーナという名前の街です。ここではどこに行っても笑顔で働いている人たちが多くすれ違うだけで「オラ」と挨拶をしてくれます。彼らがよく使うスペイン語が「トランキーロ」日本語で言うと「ゆったりした」という言葉。リラックスしたゆったりまったりの心地良い空気を感じる街です。
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12月30日の夜。この湖のほとりの街で高台にあるホテルのテラスでwifiを使ってブログを書いています。今対岸にある大きな街から花火が上がっています。明日の大晦日はフィエスタだよ!とホテルのお父さんが教えてくれました。
朝日に照らされる山々はとても美しく、光を受けて輝く湖面には本当に息をのみます。
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でも世界一美しいと言われているこのアティトラン湖は、今どんどん増水していて湖のそばの家やお店がだんだん水に沈んでいっています。この街ではお正月に家族みんなでビーチにいって大きな鍋で魚介をたくさん煮込んで食べるんだ!と話してくれたノルマン先生。でもそのビーチは今ほとんどありません。異常気象で雨期に降る雨の量が増えたからと言う人もいれば、自然のサイクルだという人もいましたが本当のところはわかりません。でも一年に1メートル水位が上がることもあるらしく、それでもここに住むというのはどんな気持ちなんだろうと考えたりもします。
もちろん、ずっとここに住んでいるからこれからもここに住み続けたいという気持ちはとても自然な気がします。でも自然の変化でそれが出来なくなってしまうかもしれない。自分のふるさとがそうなったらどんなふうに考えるんだろう。
1日のうち4時間スペイン語学校に通って、あとは湖のまわりの街を散歩したり、市場で食材買い込んで料理したり、カフェやレストランにご飯食べに行ったり、コーヒーを飲んだり、チョコを食べたり、ハンモックで読書したり、とにかくのんびりと過ごしています。
20年前まで戦火に包まれていたこの国で、長年戦って自由を勝ち取った人たちが作ったこの国で。
ここで過ごす大晦日とお正月はいったいどんなでしょう。明日が楽しみです。
※スパニッシモ スペイン語オンライン会話教室