タンザニア・ザンビア国境で地味に走ったこと。 I was running at the border of Tanzania and Zambia. / Yo estaba corriendo en la frontera de Tanzania y Zambia.

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目が覚めるとそこはまだタンザニアだった。深夜に国境から100キロ足らずのムベヤを出発したはずの列車がまさに今国境に到着したのだ。でももういいんだ。そういうものなんだと諦める。トゥンドゥマという街のタンザニア側の駅で停車し、出国書類が配られ、朝ごはんをオーダーし、ザンビアのお金を両替しにはなちゃんの部屋に行って帰ってくる途中であろうことか「タンザニア出国のスタンプを押す人」とすれ違ったことに気づかず、列車が出発してしまった。

だいたいなんとかなるさという精神の持ち主であり、この9ヶ月結局なんとかなっていたがザンビア側の駅で入って来た入国管理官さんがこの旅で一番まともな管理官さんという不運。ザンビアビザを貼った後に出国スタンプがないことに気づき、もう一度戻ってスタンプをもらってこいとのこと。ひとりで走りましたよ。線路の上を。タンザニアの少年たちに明るく挨拶しながら。ひたすら走ってイミグレーションと教えられたところがなんとタンザニア「入国」オフィス。イエローカードの提示を求められたりしてなんかおかしいと思ったら「あ、出国?だったら向こうのオフィスよ」

再びダッシュ。そして出国の行列に並ぶ。入国オフィスに置いて来た出国書類を再度書き直しながら順番を待つ。いよいよ来た順番。そしてまたもまともな入国管理官。

「なぜザンビアの入国ビザが先に貼られているんだ。これでは出国スタンプは押せない」

もっともです。あなたの言う通り。ぼくにも分かりません。と繰り返すしかなく何度か説明したところで「今回だけ」とスタンプを押してもらった。また再びダッシュ。タンザニア側から回り込めば早いけどまたなんか言われるのでザンビア側のバスターミナルを走り抜け、でっかい市場を走り抜ける。線路はどこ?列車はどこ?間に合うのか?置いてかれちゃうのか??

線路はどっち?列車はどこ?周りの人にたずねながらひたすら走る。やっと視界に線路が飛び込んで来た。線路に立ち、列車の場所を確認する。いたーーーーーーー!!!

もう走る気力も残ってなくて、線路の上を歩いた。ホームの上にはなちゃんを見つけて安心。一緒に駅のオフィスに行って柔和なおじさん管理官にオッケーをもらってから列車に戻る。おつかれさま、とみんなにねぎらってもらったのが10時ごろ。そして2時間たった今もまだ列車は1ミリも動いていない。ぼくは走らなくてよかったんだね、きっと。

昼過ぎにようやくザンビア国境を発車。終点ニューカピリムポシに着くのは翌朝の予定だと知らされる。2泊3日が3泊4日になることが決定。トーマスくんと目を合わせて笑いあう。ま、しょうがないね。腰を据えてKindleを開いて本を読み始める。ザンビアに入ってからトランポリンのような上下動はほとんどなく、スピードに乗って列車は走っている。時々駅に停車するけどザンビア側ではほとんど物売りの人たちは来なかった。ジュースを飲みたい時は食堂車に行く。ごはんは3食オーダーを聞いてくれるし、食べても食べなくてもいい。ザンビア側に来てから支払いはザンビアクワチャに。タンザニアシリングは国境で列車に乗り込んで来たおじさんに全部両替してもらった。チキンとビーフは15クワチャ、フィッシュは20クワチャ。朝ごはんは15クワチャ。コーヒーとかチャイとか温かいものが飲みたければオーダーして持って来てもらえる。

ひたすらに本を読み、時々窓の外を眺めて、疲れたら横になる。そんなにおなかが空かないからご飯は1人前をはなちゃんと分けて食べる。そんなこんなで夜が更けていく。気づいたら同室のふたりはもう眠っている。電気を消して、毛布をかぶって、小さな網棚にKindleとメガネを置いて目を閉じる。タカタンタカタンと列車が音をたてる。いつの間にか眠りに落ちる。

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翌朝ほんのり明るくなった室内。起きると7時。トーマスくんにおはようとあいさつ。トイレに行ってからまた本を読み始める。おなかが空いてないので朝ごはんを丁寧に断り、タカタンタカタンという音を聞きながら本を読む。駅に止まると子供たちが窓辺に寄ってくる。物を売る訳ではなく好奇心とか、なんかちょうだいとかそんな感じ。週に2回、計4本しか通らない列車。確かに珍しいだろうなと思う。大きな道路もない草原のど真ん中をひた走るタンザン鉄道。終点のニューカピリムポシもすごく小さな街だった。

列車を降りてみんなでおたがいをねぎらいあう。僕らはここから首都ルサカに向かう。人も荷物もぎゅうぎゅうに詰め込まれたマイクロバスでの4時間ドライブが待っている。やれやれ。さあ、行こうか。

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