2015.8.28-30 Dar es Salaam, Tanzania→New Kapiri Mposhi@車中泊
2015.8.31 New Kapiri Mposhi→Lusaka@Lusaka Backpackers
ルワンダから飛行機で戻り、念願のキリマンジャロは空から拝むこととなった。
体調不良でお腹に一抹の不安を抱えつつ、金曜の列車で予定通りニューカピリムポシを目指す。
このタンザン鉄道、タンザニアのダルエスサラームとザンビアのニューカピリムポシを結ぶ大事な列車。
運行は火曜と金曜の週に2回。火曜日は急行。ただし、旅人の間では、遅れることで超有名!遅れかたも30分とか1時間なんてもんじゃない。十数時間の遅れは当たり前。なんとトラブルでザンビアまで辿り着けなかった人もいる。そんなわけで、私達は急行より日程を優先。予定通りに行っても2泊3日かかる鉄道旅。1等と2等であまり値段の差がないことから、横になって寝られる1等を買う旅人が多い。男女別の4人一部屋。(なんでだろう?宗教上の問題?!)私達はこのルールを知らなかったので隣室になってしまったけど、4人一緒に申し込めば男女ミックスもOKだそう。金曜の普通列車は、86,500シリング。チケットはTAZARA Stationにて4日前に購入。火曜の急行は、1週間前購入で買えるかどうかという人気のよう。
そして、金曜日。12:30出発予定が13:30と早速の1時間遅れでその貫禄を見せるTZR。しかし、これはただの序章に過ぎませんでした。
出発直後から、縦に横にと激しく揺れる車体。いや、これは揺れるなんてレベルではない。体が宙に浮くほど跳ねる。頭をよぎるのは、ザンビアに辿り着けなかったというとある旅人のブログ。そこには、線路の右側で完全に横倒しになる車輌の写真が掲載されていた。。。そりゃ、これだけ揺れたら脱輪するわっ!同部屋のカナダ人女性キャロルは既にグロッキー。そりゃそうだ。「どうか脱輪だけはしませんように!」と神様に祈りつつ眠りについた。
その後は激しい揺れもおさまり、ひたすら前へ前へと進む列車。食事はビーフかチキンwithライスしかチョイスが無いけど、トイレもかなり汚いけど、小説が読めるレベルの揺れになってきたし、なんとか3日間頑張れるかな~と思っていた矢先に事件は起きた。
*線路上で乗客に向かって手を振ったり踊ったりする地元の子供たち。
*日が暮れてからも停車駅では物売りがくる。
ランチにビーフとライスを頼むも、売り切れのためチキンが部屋に運ばれてきた。昨日の昼と同じだけどまぁいっかとご飯を食べる。
車窓を流れる乾いた大地の景色。と、ふいに列車がストップした。窓から前方を見ると空に上がる黒っぽい煙。同乗していたタンザニア人のママが「Oh, shit!」と一言。特に火も出てないけど、やたらと乗客達が外に降りて行く様がみえる。
なんだろう?何事かね?!キッチンの車輌で火事とか?!でも大したこと無さそうだね。なんて会話がなされる一等車輌。それとは逆に、人が行き交い慌ただしくなっていく車内。そこへ、様子を見に行っていたろくちゃんが戻ってきて一言。
「前の方で車輌が倒れてる。」
え?え?!えぇぇぇーーー!!
今ほぼなんの衝撃も無かったけど?!超低速で走ってたじゃん!それなのに車輌が倒れるってどーゆーことっ?!
と思い、再び二人で前方車輌の様子を見に行くと、、、
ホントだ。
2つほど前の車輌が完全に傾いでいる。
どうやら線路の切り替え箇所で、途中の車輪だけ違うレールに乗っかっちゃったらしい。
そう、それはもう紛れもなく、完璧に”脱輪”していた。
*こんな感じで見事に傾いちゃってます。
*連結部分。まさにナナメ。
まぢかー!ホントに起こっちゃったよ!しかもここmiddle of nowhereだねと誰かが言った。。。
せわしなく行き交う人々。もう諦めて列車から降り、荷物を持って線路を歩き出す人達もいる。幸い怪我人はいなそうな様子。発火の危険なんかも無さそう。でも、明らかにこれ以上電車は動けない。そんな中、最も落ち着いてたのはキッチンのスタッフのみなさん。事故発生後も、普通に賄い作って食べてる。
脱輪したのは、どうやら4~5輌目辺り。外国人旅行者達は、現在地を確認したり、この後の対策を協力して考えていた。どうやら、ムベヤという国境近くの空港に続くメインロードまで6kmほどで行けそうだという。でも、このデカイバックパックを背負ってその距離を歩ける自信は正直ない。それに、具合の悪い人もいる。日没まであと3~4時間か。と、そこへTZRスタッフからの指示。「とりあえず、荷物を全部持って降りて下さい。別の車輌で皆さんをムベヤの駅まで運びます。」
指示に従う私達。で、別の車輌は?!と思っていると、脱輪していない前2輌で行く!と。なるほど。一等車にいた人達はひとしきり乗り込み完了。車輌にはまだあるスペース。進み出す列車。外を歩く2等3等の乗客。え、こういうものなのか、、、と思っていると、駅らしきスペースに停車する列車。と同時に、入口から窓からダーッと流れ込んでくる人々。なるほど。車内はまるでグァテマラのチキンバス状態。まさにギュウギュウ詰め。ここからさらに約20km行くらしい。人の重さでやや右に傾いているのがわかる。こんな状態で脱輪したら、今度こそ大事故だ!どうか脱輪しませんようにと祈りつつ、それなりに暇なので各々小説を読み出す。こんな状態で小説を読めるようになったとは、私も少しは肝がすわってきたか?!なんて思ってみたり。
無事にムベヤ駅到着。今夜はここで一泊かと思っていたところに朗報。逆方向からくる電車に乗って、ニューカピリムポシまで行けるとのこと。ラッキー!とりあえず、その列車を待つ。まつ。まーーーつ!日付が変わりろくちゃんが諦めて寝袋で寝だした頃、ようやく列車が来た。チケットを見せて乗り込むもやや混乱の車内。とりあえず空き部屋にスペースを確保し眠りについた。逆方向の人達はここで足止めなんて、もっと大変だ。
翌朝、ここは男部屋だからと言われ女性部屋にうつる。取り敢えず、このまま行けばどうにかなるかと思っていたら別の事件発生。
7:00頃にタンザニア側の出国手続き。やや進んでザンビア側の入国審査。車輌の中にいれば審査官が回ってきてくれて、ザンビアのVISAも50ドル払えば取得できる。のだが、、、
「え!オレまだスタンプもらってない!」とろくちゃん。
なんとタンザニア側の出国スタンプを押し忘れられてしまったらしい。。しかも運の悪いことに列車が発車してから気がついた。しょうがないとザンビアの手続きをしていると、出国スタンプが無いならVISAは渡せないと怒られる。押し問答の末、タンザニア側に戻って出国スタンプを貰い戻ってくることに。電車が出やしないか、スタンプもらえるだろうかと心配しながら待っていると、暫くしてスタンプと共にろくちゃん生還!ザンビア側もOKをくれ事なきをえた。
そんなこんながあっても、まだまだ出発する気配のない列車。かれこれ2時間ぐらい停まってただろうか。ザンビア側の2~3等車輌をドッキングしてようやく出発!
というわけで、32ヵ国目のザンビアに無事入国!
ここから更にどんどこ進み、トータル3泊4日かかってなんとかニューカピリムポシに到着!!やったー!同乗のみなさんとルサカ(Lusaka)行きのミニバス(一人50クワチャ)に乗り、その日のうちにルサカまで行くことができました。
人生初の1等寝台列車、事故あり、線路歩きあり、ギュウギュウ詰めあり、出入国トラブルありと盛りだくさんでしたが、タンザン鉄道を十分に味わい尽くしてのゴールでした。
結果オーライ!続きのアフリカ旅。これからも気を引き締めて頑張ります!!
Hanae(^ ^)
About The Author
Hanae
東京生まれ東京育ち。大学卒業後、英語を話せるようになりたくてアメリカに留学。帰国後、人の働くやキャリアに関する企画の仕事に携わること約10年。働くって、生きるってを自然と考える日々。どうしても鹿児島でお店をやりたい!旦那さんと共に暮らすため夫婦そろって退職を決めたのを機に、このタイミングしかないとずっと夢だった世界一周の旅に出ることを決意。いろんなことを知るのが好き。なんでかなーって考えるのが好き。
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