シエナとヴェローナのワイン商人。The Wine Merchants in Siena and Verona / Los comerciantes des vinos en Siena y Verona

ドラゴンクエストというゲームをご存知だろうか。このゲームのキャラクターはみんな何らかの職業を持っている。勇者、戦士、遊び人(これも立派な職業)そして商人。商人という職業は商いをする人。商人はなにがしかの商うものを持っている。ワインを商う人、それがワイン商人だ。

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僕らが日本でヨーロッパから輸入された美味しいワインが飲めるのは、ぶどうを作る人、ぶどうからワインを作る人、そのワインを商う人がいてくれるから。そしてワインを商う人は誰よりもワインのことを広く知っている。イタリアではワイナリーこそ行かなかったものの、そんなワイン商人さんに会って話を聞く機会があった。

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まずはトスカーナの古都シエナ。街の中心にある IL CAMPO という広場のすぐそばにあるワインショップ『エンポリオ・メディテッラーネオ』のオーナー、鈴木暢彦さん。イタリア政府がやっていたシエナのワイン博物館で働いたあと、自分のお店をオープン、イタリアワインを日本に輸入する仕事もしている。店頭でテイスティングもさせてくれる(これってヨーロッパのワイン屋さんではあまりないサービス)し、ヤマト運輸で日本に送ってくれる。

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特に魅力的だったのが地元トスカーナのワイン。悪く言えばセオリーや常識を守らない、よく言えば自由な発想でワインを作るイタリア人らしいとても面白いラインナップ。ひとつひとつのワインがちゃんとストーリーがあって、説明してもらいながら飲むとさらに美味しく感じてしまう。自分のお店でもこういうワインを扱いたいな、と思った素敵な時間。ブログはこちら。ぜひチェックしてね。

『エンポリオ・メディテッラーネオ』 http://enoteca-italiana.ldblog.jp

旅に出る前は行く予定じゃなかったシエナという街。坂が多くて、石造りの建物がほとんど。ちょっと迷路みたいな不思議な造り。鈴木さんに紹介してもらったレストラン『Grotta di Santa Caterina di Bagoda』で食べたピチという生パスタ。みっちりとした歯ごたえ、今が旬のポルチーニ!このポルチーニの素焼きがたっぷり入ったソースも最高だった。

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『Grotta di Santa Caterina di Bagoda』 http://www.ristorantebagoga.it

 

数時間滞在したシエナから一気に北上して向かったのが、ヴェローナ。2年前にイタリアに来た時にお世話になったワイナリーのお姉さん、コスタンツァ姐さん(ろくちゃんの1個上)に会うのが目的。夕方、ヴェローナの中心にある広場で待ち合わせ。姐さん、相変わらずお美しい。

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この日は彼女が全てのプランをたててくれていた。まずは「ヴェローナに来たら必ず見るべき」老舗ワインバー。入るとスタッフがササッと寄ってきてハグ&キス。超VIP扱い。さすが姐さん。軽く一杯って言いながら分厚いワインリスト(厚さ5センチ以上)からシャンパ—ニュをオーダーする姐さん。グラスは大きなボルドーグラス。「この方がたっぷり香りが楽しめるでしょ」とご満悦。つまみもおまかせで極上のモノが出てくる。生ハムも肉団子もウォッシュチーズのマスタード漬けフルーツのせも旨すぎる。

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お会計した後にスタッフしか入れないであろう奥のセラーを見に行こうとずんずん入って行く。あの分厚くてデカい(A3サイズ)ワインリストに並んでいた極上のワインたちが所狭しと積み上げられている。ヴェローナで一番古いセラーの持つ空気に圧倒されたろくちゃん。

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続いてお食事どころへ。シャンパーニュで火照った体に夜風がとってもいい気持ち。ろくちゃんのリクエストはヴェローナの地元料理。めっちゃ雰囲気のあるレストラン。ここでも姐さんはお姫様扱い。前日に予約したにも関わらず一番奥のいい席にご案内いただく。

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前菜にマンガリッツァ豚の生ハムとラルド。オイルサーディンのブルスケッタ。地ぶどうで造られた赤ワインがクイクイすすむ。

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メインは姐さんがパタネグラのロースト、はなちゃんがゴルゴンゾーラのニョッキ、そしてろくちゃんは初挑戦『ロバのミートソース』これはヴェローナの名物料理!ちょっとだけ肉の風味が濃厚。脂少なめ。野性味ありの地ぶどう赤ワインといい感じ。

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デザートはなしにして少しだけ散歩。そして最後は姐さん行きつけのバーへ。静かなヴェローナの街中でここだけ外まで人が溢れかえってる。ごった返した店内に入ってバーテンダーさんのところまで。姐さんとはなちゃんは名物モスコミュール。ろくちゃんは強めで美味しいやつをオーダー。ドライフルーツチップも全て手作り。手際よくカクテル作るオーナーさん、めちゃかっこいい。ひとつひとつのカクテルに驚きがあるので見ていて全然飽きなかった。

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この次の日は姐さんのおうちにご招待してもらい、お気に入りの魚拓を拝見しながら我々の作ったディナーと姐さんセレクトワイン。とことんおもてなししていただいた2日間。姐さん、ありがとうございました!ワインに対して並々ならぬパッションを見せる姐さんは以前の会社からワイン商人として独立したばかり。会社名は『Blonde and Barrel』 つまり金髪と樽。日本に帰ったらコスティ姐さんセレクトの美味しいイタリアワインをみなさんに飲んでもらえるようにがんばろうと思った、そんなヴェローナの夜。あー美味しかった。

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