穏やかな草原、穏やかな人々。 The calm “PAMPA”, the calm people. / El “PAMPA” tranquila, el gente tranquila.
ポルトアレグレから800km、12時間のバス移動。
到着したのはモンテビデオ、トレスクルセスバスターミナル。
久しぶりでポルトガル語からスペイン語モードに切り替えがうまくいかず「オブリガード」を連発する僕たち。
ほとんど上達することのなかったポルトガル語。
なんとかスペイン語を混ぜたポルトニョールで切り抜けた1ヶ月のブラジル滞在。
ツーリストインフォメーションでセントロに向かうバスを教えてもらい、朝のモンテビデオの街へ。
ムヒカ「連絡くれたら送ってやったんだぜ！」
ラテンアメリカで最も生活の質が高いと評価されているモンテビデオ。
1930年、第一回FIFAワールドカップが開催された場所でもある。（ちなみに優勝国はウルグアイ！）
そして世界一貧しい大統領と言われるムヒカ大統領がいる街でもある。
（ムヒカさんは2月いっぱいで任期終了。会いたかったけど会えなかったのでプライベート写真をどうぞ）
第一回ワールドカップポスター。なんかかわいい。
ムヒカ「おれだってかわいいぞ！」
他の南米の首都のように中心街はコロニアル様式の高層建築が立ち並んでいる。
ただ、もともとの人口が少なかったこともあり、バスで少し郊外に出るとすぐにのどかな風景に変わるような小さな都でもある。
現在のウルグアイの人口が350万人、モンテビデオ周辺の人口が180万人。完全な都市集中型。
そしてウルグアイにいる牛の数が1000万頭以上。1人3頭の牛を食べることが出来るという計算になる。
つまり牛、食べ放題ということになる。
ムヒカ「ちょっと待ってろ、いま肉焼いてるから」
ムヒカ「食べたら散歩だ。運動しないとな」
モンテビデオについて行きたかった場所のひとつ。ウルグアイのワイナリー。
事前にメールを送って「ぜひ行きたい！」と伝えておいた。
市バスで1時間少し走って到着したワイナリーで待っててくれていたディエゴさん。
ディエゴさん、とってもいい人。
ムヒカ「ディエゴか、あいつは将来大統領になれるやつだ」
今日は醸造責任者がいないからテイスティングは出来ないんだ、と申し訳なさそう。うーん、残念。
まずは醸造所を見学させていただく。すごく清潔で、酵母のいい香りがする。
収穫は2週間前に終わって、仕込みも全て済ませた段階。
タンクからまだ発酵途中の白ワインを飲ませてもらった。
にごりワインを注いでくれる。
これがにごりワイン。飲んじゃダメって言われたけど飲んじゃう。
酵母でにごってるんだけど、爽やかな酸味と果実の味がたっぷり。おいしい！
でっかいぶどう破砕機や、これまたでっかい収穫用のマシーン、ぶどうの木を間にはさんだら左右からロボットの手が出て来てぶどうをつみとるそう。 赤ワインを熟成させている樽の倉庫も見せてもらった。
これでぶどうを砕く。ぐりぐりーって。
これがぶどう収穫マシーン。
さらにディエゴさんの4WDで広大な畑をドライブ。ここには150人のスタッフがいて、ぶどう畑の中におうちが与えられている。家賃も光熱費も無料なんだよ、もちろんワインも！だって。ちょっとうらやましい。
畑の中なのに池もあるし、森もある。秋を感じるススキだってある。
土地をならしてぶどう畑を整然と作ることだって出来るんだけど、とディエゴさんは言った。
なるべくもとの自然を残して、その自然の周りでぶどうを育てたい。
僕たちにとっても、自然はとても大切なものだから。と話すディエゴさん。
甲高い声で鳴く鳥を見ながら「あの鳥はぶどうを食べちゃうんだよ」と、やれやれ顔。
車に乗って再び走り出すと犬が車を追いかけてくる。
池からは鴨みたいな鳥たちが一気に飛び立つ。なんかいいなー。
ワイナリーのど真ん中にある小さな池。
空も広いー！
「この国で一番高い山はどれくらいあると思う？」
ウルグアイに来て何度か聞かれた質問。400mとか700mとか、みんなちょっとずつ答えは違うけどgoogle調べでは500m。ディエゴさんは「山じゃなくて、丘だよ」と。たしかに。
国土の88%が耕地になりえるという恵まれた土地を持つ国。でも大半はまだ草原のまま。
ウルグアイに広がる大草原は「パンパ」と呼ばれる。
なだらかな大草原の国に住む人たちは、南米の他の国に比べてほんとうに穏やかで優しい空気を醸し出していたように思う。
いや、ディエゴさんがお土産に3本もワインをプレゼントしてくれたから言ってるわけじゃなく。
ディエゴさん、ありがとう！
ウルグアイのワインは「タナ Tannat」というぶどう品種がメイン。濃いめの男らしい赤ワインが多い。ディエゴさんがくれたワイン、美味しかった！そして、日本でも、ネットでも、買えます。トラヴェルサっていう名前で検索したら出てくるよー。
ムヒカ「やれやれ。お前はほんと昔っからゲンキンだな」
ムヒカさん、ウルグアイ楽しかったです！今度は会いに行きますよー。
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About The Author
Roppei
将来の飲食店開店を目指して大学卒業後、高級スーパーマーケットに就職。野菜売場、乳日配売場を担当して食材の面白さを肌で感じる。鹿児島に移住するタイミングで転職。飲食店向け広告営業をやりつつ、鹿児島の街を元気にする活動に色々参加するうちに鹿児島で自分の飲食店をやりたいと思い始める。飲食店の現場で修業したいと思い、再び東京に。丸の内にある大型繁盛店で基礎基本を叩き込んでいただく。その後、自分の独立したい形に限りなく近い小さくて強いお店を何店舗も運営している会社に転職。2014年10月で退職し、世界一周旅行へ。 日本に戻ったら、鹿児島でワイン居酒屋を開店。鹿児島の街を元気にする活動を再開！ facebookはこちら