自慢の料理、教えてもらったよ! He taught me his favorite dish! / Él me enseñó a su plato favorito!

イタリアのドライバーたちにさんざんあおられながら、やっとたどり着いたジェノバ近郊の街キアバリ。待っていてくれたのはカウチサーフィンのホスト、フランチェスコ。フランチェスコからは事前に「今夜は友達が来るから日本食を作ってくれ」と頼まれていた。

作りはじめるとドアベルが鳴り、友人たちがワイワイ入ってくる。ビール飲みながら料理の続き。モレッティというイタリアビール。ラベルはミラノEXPOバージョン。この日は大きなテーブルを囲んで遅くまでみんなで話してた。みんな日本に興味しんしん。

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まずは聞かれたことに一生懸命答える。拙い英語で話して、わからないことはGoogleで検索しながら。僕らも聞きたいことはたくさんある。ジェノバの郷土料理、地中海の文化。例えばどこの家にもあるという大理石みたいな石で出来たジェノベーゼソース用のすり鉢。実際にフランチェスコのを見せてもらった。バジルのきれいな緑色は熱で簡単に失われてしまうから優しく温度を上げずにすりつぶすためのもの。

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ミラノ生まれのカップルはミラノEXPOを強烈におすすめしてくれるけど、ジェノベーゼソースは「ミキサーでやっちゃえばいいじゃん」なんて言っちゃう。するとジェノバ生まれのフランチェスコは「わかってないなあ」って顔をする。もう一組の友達カップルは「俺たちなんて明日から1週間のギリシャ旅行!ってハイテンションなのに8ヶ月も旅してるってなんだよ!」って叫んでる。ちなみに彼らは翌日朝4時起き。大丈夫だったのかな。

ちなみに僕らは翌日チンクエテッレへおでかけ。チンクエテッレとは地中海沿いに切り立った険しい海岸沿いに立つ『5つの村』のこと。断崖絶壁にはりつくように立っているカラフルな建物が必見!ということでキアバリから電車に乗っていってきた。前回イタリアに来た時に乗ったのと同じようなローカル電車。なんだか懐かしい。そしていよいよヨーロッパもハイシーズン突入。観光客がここにもいっぱい!

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この日も快晴、めちゃめちゃ暑い。でもここに来たらカラフルな家々よりも、もっと絶対見たい景色がある!それがここ!チンクエテッレ名物、急斜面ならぬ急階段に仕立てられたぶどう畑!もちろんワイン用!ひたすら急な階段と斜面を登ったところから見えたこの景色。

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その昔は村のみんなで収穫したぶどうを担いでこの急階段を上り下りしてたなんて考えられない。普通に上り下りするだけでもしんどい。

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海風と強烈な太陽の光に当てられて育ったぶどうからはキュッとした酸味があるフルーティーな白ワインが出来る。シンプルに焼いた魚介にレモンをかけたものとバッチリ合いそう!あー飲みたい。とか考えながらひたすら急階段を登って、景色に感動して、降りてくると木陰でかわいい嫁が待っていた。おまたせー。

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もちろん海側からのこの景色も、波が押し寄せる岩場に寝そべる美女たち(水着のひもを外してうつぶせ!)を横目に見ながら写真を撮りに行って来た。ほんとよくこんなところに家を建てようと思ったな。

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5つの村を歩いて回ると5時間くらいのコースになるらしく、僕らは3つの村を電車で回ってジェラートを2回食べてフランチェスコのおうちに帰って来た。

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間髪入れずのタイミングでフランチェスコがドゥカティに乗って帰宅。材料をたっぷり買い込んできた。なぜなら本日は『フランチェスコのいちおしジェノバ料理教室』だから。このために昨日の夜から乾燥ひよこ豆をたっぷりの水に浸けて戻していた。

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今日のメニューは地元のパスタ、トロフィエを使ったジェノベーゼソース。インジミーノというイカとひよこ豆の煮込み。

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その土地の人が作る料理にはそれぞれバックグラウンドや調理法の必然があってほんとに面白い。インジミーノはイカの旨味と野菜の旨味と豆の旨味がしっかりと手をつないでて美味しかった。冬に食べるともっと美味しいんだけどねと言いながら、それでもこの料理が一番好きだというフランチェスコ。

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僕がイメージしてたイタリア男とはちょっと違うタイプ。気は優しくて力持ちっていう表現はありふれてるかもしれないけど、まさにそんな感じ。自分がやるお店でもインジミーノ作るからぜひ食べに来てほしいな!