2015年4月19日。今日もぶどうが届く。 届いたぶどうを処理する方法にはいろいろある。大きく分けると除梗するかしないか(ぶどうを房ごと使うか、粒に分けて房を除くか)、粒をつぶすかつぶさないか、皮を剥くか剥かないかなどなど。 今日届いたぶどうは房を除いて粒だけにして仕込む。なので除梗機を使って作業することになった。この犬の後ろにあるのが除梗機。
こういうやつ→
作業は3人で行う。簡単に説明すると、1人目(シュン)がぶどうが入ったくっそ重たい箱を持ち上げて機械の上から投入。2人目(ぼく)が機械の下からなだれのように出てくるぶどうの粒でいっぱいになったくっそ重たい箱を持ち上げて樽の中にガンガン入れていく。3人目(はなちゃん)がすかさず空いた箱を機械の下に差し込んでいく兼、機械の横にどんどん吐き出されていくぶどうの房部分を横付けしたリヤカーにどんどんよけていく。

これがスーパーハード。ぶどうの果汁でべったべた。肩と腕の筋肉がぴちっと張ってきた。 そして仕込み終わったぶどうはもうこの瞬間からゆっくりと発酵が始まる。ワイナリーの中には大小さまざまなタンクや樽があって、まだまだ糖分がたっぷり残っている発酵初期のもの、徐々に糖分がアルコールに変わりはじめたもの、発酵が終わりかけたもの、発酵が完全に終わって糖分がなくなっているもの、熟成用の樽に移されてセラーで時が来るのを待っているもの、そのそれぞれを数値を確認する。

そして発酵途中のものを混ぜてやる。その混ぜ方のひとつがアブラサージュ。フランス語で抱きつくという意味の言葉。小さな浅いタンクに入っているワイン、上に浮いている果実や果皮を下に沈んでいる果汁と混ぜてやる作業。棒で突いたり混ぜたりするよりも、手でやってあげるほうが断然優しい。そして手で触ってあげることでタンクの中の温度や液体の質感もわかる。なので「今日はあたたかいから発酵がすすんでるな」というのがわかる。手をずぶずぶとワインの中に差し入れてゆっくりと混ぜてやる。なんだか楽しい。

屋外のコンクリートタンクをチェックする。シートの隙間から白ワインのタンクに蜂が飛び込んでいた。蜂ごとすくって試飲するルイ。蜂が飛び込むほど美味しいっていうことだねと言いながら飲ませてもらったワインはすごく素直なぶどうの香りがした。
明日は畑を見に行こうとルイが言ってくれた。いよいよ樹齢数百年のぶどうの樹を見に行ける。フランスからはるばるルイのもとで働きに来たココ(21歳)が言っていた。
「醸造家にとってのチリは、考古学者にとってのジュラシックパークだ。ありえないほど古いぶどうの樹がまだ現役で生きている」
というわけでワイン界の恐竜たちを明日は見に行ってくる。
遠き昔のワイナリー、つづきます。
About The Author
Roppei
将来の飲食店開店を目指して大学卒業後、高級スーパーマーケットに就職。野菜売場、乳日配売場を担当して食材の面白さを肌で感じる。鹿児島に移住するタイミングで転職。飲食店向け広告営業をやりつつ、鹿児島の街を元気にする活動に色々参加するうちに鹿児島で自分の飲食店をやりたいと思い始める。飲食店の現場で修業したいと思い、再び東京に。丸の内にある大型繁盛店で基礎基本を叩き込んでいただく。その後、自分の独立したい形に限りなく近い小さくて強いお店を何店舗も運営している会社に転職。2014年10月で退職し、世界一周旅行へ。
日本に戻ったら、鹿児島でワイン居酒屋を開店。鹿児島の街を元気にする活動を再開!
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