ルワンダ③紛争のホントってなんだろう What is the truth of ethnic conflict?/ ¿Cuál es la verdad de los conflictos étnicos?

2015.8.21-24 Kigali, Rwanda@Momoko’s House&機中泊
2015.8.25 Kigali, Rwanda→Nairobi, Kenya→Dar es Salaam, Tanzania@Safari Inn
ルワンダに来た理由その2。それは、ジェノサイド(大量虐殺)とも呼ばれたツチ族とフツ族の紛争があった国のその後の姿を見ること。
今から約20年前。私が高校生ぐらいの頃に見た映像の記憶。路上や建物の前にバタバタと倒れて亡くなっている人々。国連すらまともに動きがとれないと報じる新聞。一方の民族がもう一方の民族を殺す時に使ったのは、農業などで使う斧や鍬だという。連日のようにテレビや新聞から流れる衝撃的な報道。多数の民族が少数の民族を大殺戮しているというニュースや映像が、今も私の記憶の片隅に残っていた。
キガリに行き、ホテルルワンダという映画の舞台となったミルコリンズホテルを訪ねた。
外観こそ古めかしいが、中はとても綺麗で、プールやバーもあり、高級ホテルという印象だった。
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その後に向かったのが、ジェノサイドメモリアルという博物館。
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当時、多数民族であったフツ族が、少数のツチ族を惨殺したというひどい歴史の記憶を忘れないように。今後は、ツチでもフツでもなくオールルワンダなのだ!というメッセージが綴られていた。いつもであれば、そうだったのかで終わるところだけれど、今回は少し違う印象を残した。
あまりにメッセージが綺麗すぎる。綺麗ごと過ぎるように聞こえてならなかった。なんでだろうと考えていて気がついた。殺された側の人々の悲しみは色んな言葉で綴られているのだが、憎しみや恨みの感情がほとんど描かれていない。
一つのルワンダとして頑張るのだという目標はもちろん素晴らしいし、過去の歴史を忘れないというのも大事だ。だけど、ドロドロした感情の部分を受け止めることも大事なのではないだろうか。
ルワンダ中央銀行の総裁日記の一部の記載を読んだ。
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一連の報道は、まるで多数のフツ族が一方的な悪の如く書いてあるが、それには非常に違和感があるという。少数の支配階級だったツチ族がフツ族に強いてきたこと。ツチ族の裏に見え隠れする隣国や大国による武器調達や武力の影。
紛争の始まりのホントなんて、外から簡単に見えるものじゃない。誰かが糸をひいて、ほんのちょっとしたもつれに火をつける。あっという間に広がる火。そして、いつでも命を失うのは罪のない力のない人々。紛争や戦争は、強者の側からモノが語られがちになる。権力を持つ人々、マジョリティ、表に出てこない仕掛けている人々。
ネットによって多様な情報が入るようになったけど、ホントを見抜くのは難しい。
そもそも正しさは人によって変わる。
考え方、文化、価値観がそもそも違うのだ。
この旅を始めて思う。
人の優しさに驚き感謝し、人の醜さを目の当たりにして恐ろしくもなる。
でも、このどちらも人であり、みんなこの世を生きていくしかない。
信じることの先にある美しさと、信じられない人間自身が抱える闇。
誰でも、なにかのきっかけでそうなりうるのじゃなかろうか。私自身も。
自分の信にしたがって、できることをできるところからやろうと思う。
Hanae(^ ^)