ヘレス酒場放浪記、その1 The dairy of roaming the bars in Jerez Part 1 / La lechería de la itinerancia de las barras en Jerez Parte 1

シェリー、見知らぬところで人に出会ったらどうすりゃいいかい

シェリー、俺ははぐれ者だからおまえみたいにうまく笑えやしない(シェリー/尾崎豊)

初対面なのに不思議と距離を感じさせない。 そんな素敵な人に時々出会うことがある。 以前働いていたお店のご常連の方に紹介していただいたモモちゃんはまさにそんな人だった。

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モモちゃんと会ったのはヘレス・デ・ラ・フロンテラというスペインの南にある街。 この街とその周辺ではシェリー(スペイン語ではビノ・デ・ヘレス)という特殊なワインが作られている。 ここで「ワイン」と言えばそれはシェリーのこと。原料は全てぶどう、醸造方法や熟成方法が特別。

シェリーについての説明はこちらのページで。モモちゃんが働いている『しぇりークラブ』のページ。お店は東京の銀座と京都の石塀小路にあるのでぜひ。奥深いシェリーの世界へどうぞ。

http://sherry-club.com/about/index.html

モモちゃんのブログがこちら。ヘレスの今の情報がたっぷりの写真とともに。

http://burari-jerez.blogspot.it

モモちゃんはシェリーが好きすぎて毎年ヘレスに遊びに来ているうちに、ヘレスに住みたい!と住みはじめた人。 所属する銀座の『しぇりークラブ』が作るシェリーの本の執筆、写真撮影という仕事をしながら、ヘレスのボデガで働いている。今回連絡すると快く2日間の予定を組んでくれた。

1日目。彼女のアパートの下にあるバルで朝食。スペインオムレツのサンドイッチと絞りたてオレンジで調子を整える。オレンジジュースにもコーヒーと同じ砂糖が添えられている。スペインの人は甘さを自分で調整するらしい。なるほど。

少し散歩。ティオペペという有名なボデガの屋根にある世界最大の風見鶏。ハカランダ jacarandaという初夏に咲き誇る紫色の花。桜みたいでとてもきれい。

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「12時になったから、そろそろ」と最初の酒場 Tabanco El Pasaje へ。まずはビール、そしてつまみはこちら Butifarra というあらびきソーセージ。脂身がぷりぷりでうまい。カウンターにはチョークが置いてある。目の前にこうやって注文の金額が書かれる。平日昼からみんなが飲んでる。

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「じゃ、もう一軒」と次の酒場 VINOTECA JEREZANA へ。13時にもなってないけど陽気なおじさんたちがいっぱい。店内には昔の闘牛のポスター(かっこいいけど高いらしい)とシェリーのボトルが所狭しと並ぶ。グラスにたっぷり注いでもらったシェリーで乾杯!どんどん話しかけてくれるおじさんたち。ここはなぜかいつもおじさんしかいない、というモモちゃん。

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おじさんたちに見送られ、いよいよモモちゃんのボデガへ。扉をくぐるとそこには樽の山が。オーナーさんも出て来てくれて試飲タイムのはじまり。樽にチョークで図を書いて、分かりやすく説明してくれながらいろんな種類のシェリーを味わっていく。風邪気味のはなちゃんのために、モモちゃんがシェリーの表面に浮かぶフロール(風邪に効くという)を飲ませてくれた。パロコルタドという突然変異的なシェリーやこのボデガに昔から伝わる100年もののペドロヒメネス。どんどん奥深い世界に連れて行かれる。

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午後2時。ワイナリーを出てバルにお昼ご飯を食べに行く。オリーブ、ピスト(野菜のトマト煮込み)に目玉のせ、とろける生ハム『パタネグラ』、目の前で炙るチョリソー、牛テール煮込み、アンチョビとレタス、きのこピンチョス、Sopa de picadilloという優しい味のスープ。最後はこのスープにちょっとだけオロロソというシェリーを入れて。

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午後4時。モモちゃんのおうちでお昼寝してるはなちゃん。いっぱい飲んだからね。

DSC_0177 その2につづく。