カウチサーフィンの可能性。 Possibility of Couchsarfing. / Posibilidad de Couchsarfing.

旅も半ばにさしかかって、ブラジルから始めたカウチサーフィン。

旅のはじめはちょっとビビったのと、日本語サービスがなくて英語だけだったからめんどくさかったのとでカウチサーフィンには二の足を踏んでいた。

アメリカから中南米を旅してブラジルに入った時にいきなり物価が高くなって、円安もあるし予算がきつくなってくるのをさらに感じて最初は「必要にかられて」始めたカウチサーフィン。

それが、今ではだいぶやみつきになってきている。

南米最後の滞在地はブラジルのサンパウロ。そこで僕らをホストしてくれたのはブルーノとテレサのカップル。

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2年前に2ヶ月くらい日本を旅した二人。テントとヒッチハイク、あとはギターとバイオリンを演奏しながらお金を稼いでの旅。日本がとても好きになったと話してくれた。南米最後の夜にアパートの部屋で聞かせてくれた演奏はとても楽しくて、胸が熱くなった。

サンパウロからモロッコ経由でフランスへ。シャルルドゴール空港でまさかのロストバゲッジ。テンション低めでパリ郊外にあるホストのお家へ。

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改札を出たところで「ロッペイですか?」とマダムが声をかけてくれた。 わんぱくな男の子四人のお母さん、ナタリー。土曜日だからお父さんのグザヴィエもいてニッコリ僕らを迎えてくれた。 四人の男の子たちにかまいながら僕らのことも世話してくれて、美味しいごはんも作ってくれて。

ロストバゲッジもナタリーが仕事中に何度も電話してくれたおかげでちゃんと手元に戻ってきた。

はなちゃんが肩のマッサージしたらすんごいバキバキだった。ものすごくがんばってるナタリー。たまにはゆっくり休んでね。

ナタリーたち家族は日本に8年住んでいた。ナタリーはすごく日本が好きでフランスに帰りたくなかったって。僕らよりも日本各地を旅している。帰ったら日本で行きたい場所がたくさん出来た。

ここからの移動はすべてレンタカー。三ヶ月ヨーロッパを車で回るチャレンジ企画。パリのルノーのオフィスで予約していた車を受け取ってレンヌに向かう。

有料高速道路を避けて走ってたら意外と時間がかかって心配させてしまったレンヌのホストはマルゴーちゃんとバプティストくん。

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とてもラブラブなナイスカップル。ちょうどバプティストくんは休暇中。 僕ら二人でモンサンミッシェルに行った以外は、一緒にごはん作ったり、レンヌの町を案内してもらったり、ずっと一緒に過ごすことが出来た。

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レンヌにいる間中、とにかくずっと笑ってた。カウチサーフィンは自分でホストを探して直接メッセージを送る方法と、掲示板に自分たちの旅の予定を書き込んでメッセージを待つ方法とあるけど、マルゴーちゃんは初めて掲示板を見て連絡をくれたホストだった。

そして一晩だけの滞在予定だったボルドーでも連絡をくれたホストがフランソワーズさん。眼力半端ないお兄ちゃん、進撃の巨人好きなお姉ちゃん、話し好きでかわいい弟くんの三人兄弟のお母さん。

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広い庭にあるテーブルでボルドーの白ワインと生牡蠣。生牡蠣があまり得意じゃなかったけどすごく美味しかった。新鮮だからか、フランスだからか分からないけどこれはハマりそう。

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ズッキーニを山ほど使ったらグラタンや、鴨のリエット、美味しいチーズとガトーショコラ。そして南フランスのジューシーな赤ワイン。パリ出張から帰ってきたお父さんとみんなで話した夜。

眠くなってみんながベッドに行ったあとも「まだ仕事があるの」というフランソワーズ。明日も朝早くに起きなきゃいけないのに。

せめて出来ることをと思って翌朝食器を洗ってたらすごく喜んでくれた。おみやげにもらったカヌレもすごく美味しかった。いつか日本に行きたいと、日本語を勉強したり、日本のガイドブックを買ってたり。進撃の巨人に出てくるリヴァイにぞっこんの娘を「理解できない」と困ってみたり。すごくかわいいお母さんだった。

カウチサーフィンのテーマは

『Stay with Locals and Make Travel Friends.』

初めて出会った人の家に泊めてもらって、少しの時間を過ごすことがここまで心をつないでくれるとは思っていなかった。

そして僕らが「日本人である」ということで安心して泊めてくれることの素晴らしさ。これは長い時間をかけて日本の人たちが築いてきた信頼の上に成り立っている。

日本人は家をきれいに使ってくれる。

日本人になら家の鍵を預けても大丈夫。

日本人は時間をちゃんと守るし、ちゃんと気を使ってくれる。

こう思って僕らのことを快く招待してくれているのを感じる。

彼らはもちろん僕らのプロフィールを読んだりしてくれてるんだろうけど、日本人であるということがものすごい長所として働いてくれている。

だからこそ、僕らもその気持ちを裏切らないように振る舞おうと思う。

そしてなにより一緒にいる時間をとことん楽しむ。料理してくれたら「You cook, I wash!」って洗い物したり。日本語と現地の言葉をおたがいに教えあったり。コルクでネコ作ったり、折り紙で白鳥作ったり。おたがいの文化の違いについて楽しく話して理解しあったり。

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カウチサーフィンはすごい。カウチサーフィンは関わった人たちの世界をもっとクリアにしていく可能性がある。こんなに素敵なサービスなんだからもっともっと広まればいいなーと心から思う。