ブラジル⑥バイーアの音楽 Music in Salvador/ Música en Salvador

2015.3.6-9 Salvador, Brazil@Nao Yado bekkan
「ブラジルに行くなら、サルバドールが一番面白いよ。」
出発前、ブラジルにしばらく住んでいたとある友人から勧められた町。
ほぼこの情報と期待だけで来たサルバドール。
カウチサーフィンであてにしていたホストと突然連絡が途絶えたため宿探しからという洗礼を受けつつ、念のためにと調べておいた日本人宿naoyadoへ向かう。
ネットの情報によれば、毎年旅人も含めた日本人だけでチームをつくりサンバに参加できるという宿のよう。カーニバルのための練習期間をちゃんととっていて、合宿のような感じで練習を重ね宿の仲間で参加するらしい。
でも、私たちが尋ねたのは祭りの後のタイミング。普段も宿としてやってるんだよね?!サンバやらなくても大丈夫な感じかしら?!と不安を抱えつつ訪ねると、快く迎えてくれたオーナーのなおやさん。
実際に泊まったのは近くの別館。カーニバルの頃は30人以上いた人たちも一人減り二人減りして、今泊まっているのはたった二人だけとのこと。
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ネットの情報や宿のみなさんに色々教えてもらい、教会やエレベーター、カラフルな街並にメルカドなど観光名所も一通り巡りましたが、やっぱり強く心に残っているのはこの2つ。
DIDAの太鼓とカポエイラ。
日曜日はたまたま国際女性デー(International Women’s Day)という女性の政治的自由と平等のために戦う日だったらしく、女性だけのバンドがサルヴァドールの街で太鼓をたたくという情報を聞き、それはぜひ見てみたいと出かけました。DIDA(ジダ)という女性だけのバンドがいて、それはそれはかっこいいんだとか。
聞いた話によれば14時スタートのはずなのに、誰もいない。。。場所が間違っているのかと辺りをくるくるまわるものの、準備をしていそうな人たちすら見えず。
とりあえずアイスを食べて街をブラブラするも暑さにやられて、とぼとぼ宿へ。すると、これから行くという宿仲間と遭遇。
「どこにもやってる人いなかったよー。今日は無いのかなぁ。」
「え?!そうなんだ。でもやるって言ってたからこれからじゃない?ブラジル時間だよ、ブラジル時間。」
ほんとにあるのかなぁ。でも見たいなぁということで、16時に出直し。
すると。。。遠くから聞こえる太鼓の音!
「ほんとだ!やってる!」駆け足で坂を上ると、目の前には人垣。
「あそこだっ!」とダッシュで向かう私たち。
そこには、おそろいの黄色い衣装を身にまとったたくさんの女性たち。
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大小様々な太鼓を踊るように叩いている。
めちゃくちゃかっこよくてセクシーで美しい。
音楽を聴くとすぐ、体が勝手にリズムに乗って踊りだす。
彼女たちのオフィスがある場所からぐるっと一周、ドラムを叩きながら練り歩く。ダンスで飛び入り参加するおばちゃんや、踊りながらついてくる子供たち。
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ママさんドラマーもいて、演奏している本人たちも見ている私たちもとにかく楽しい時間。最後は、オフィスの人に追い立てられながら名残惜しそうに演奏を終了していくDIDAの面々。
これが無料で聴けちゃうなんてすごい。やっぱり日常に音楽が溢れる街なんだなぁ。
DIDAの力強く美しいドラムは、写真よりもやっぱりこちらの動画で。
カポエイラ。
ポルトガルの植民地時代、奴隷が看守にばれないようにダンスのふりをして修練した格闘技と言われているそう。格闘技でありダンスのようでもあり、ある種の儀式的な要素もあるという。
サルバドールにある道場の一つを見学した。お互いが、間合いを計りあいながらゆっくりと動いている感じに見える。ビリンバウという楽器やいくつかの楽器で演奏をしながらかなりの声量で歌が歌われ、その前でカポエイラが繰り広げられる。音楽は途切れること無く続き、弓の張りを直したり選手と演奏の担当の人が入れ替わったりするのだけど、合図や決まりがあるというよりは、みんながお互いの様子を見ながらそれぞれのタイミングで交代していく。
まさに空気を読む感じがし、海外の文化としては私の目にはとても珍しくうつった。
これはあくまで勝手な想像にしか過ぎないのだけど、看守にばれないように修練したりコミュニケーションを図ったりという背景が関係しているのではないかと思った。
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サンバや太鼓、カポエイラ。いずれも、抑圧された社会の中で、それでも生きる楽しみを求めた人たちから生み出された文化のような気がしてならなかった。
生きる強さ、どんな状況でも楽しもうとすることの大事さ、自分たちを表現することの美しさ。
そんなことを考えさせられた街だった。
Hanae(^ ^)