大人の楽園、ワインランド Adult paradise, Winelands. / Paraíso para adults, Winelands.
1685年にカトリックとプロテスタントの融和をはかったナントの勅令がルイ14世によって廃止され、フランスを追われたプロテスタントの人たちがケープタウン郊外のステレンボッシュにやってきた。彼らはここの気候や土地がヨーロッパに似ていると確信し、ワインを作りはじめた。今ではステレンボッシュを中心とした一帯はワインランドと呼ばれている。ケープタウンからのツアーもあるけど、電車で1時間ちょっと(一等車料金19.5ランド)で行くことが出来る。途中駅で電車の窓から見えたのはステレンボッシュ大学。醸造学科があり、ピノタージュというピノノワールとサンソーを掛け合わせた南アフリカ特有の品種は1925年にこの大学で生まれた。
南アフリカで2番目に古い街ステレンボッシュ。街中にはオランダ、フランス、ドイツ建築のミックスと言われるケープ・オランダスタイル(ケープダッチスタイル)の建物がいっぱいある。白壁に茅葺きの屋根というあまり見たことの無いスタイルの建物。白黒のコントラストがなんかきれいだ。
ステレンボッシュの駅から宿まで歩く。ここでの宿はStumble Inn。ドミトリーでひとり130ランド。中庭の芝生にテントを張って泊まる人たちもいる。
宿に荷物を置いてワイナリーへ。初日の土曜日は徒歩で回ろうと思い、まずはステレンボッシュ駅の裏にあるワイナリーへ。お目当てのStellakayaはなんと土日お休み。なのでその隣にあるDalla Ciaからスタート。併設のレストランのテーブルに座って、ウエイターさんが説明をしてくれる。ワインテイスティング4種類で55ランド。すっきり白ワイン、ミルキー白ワイン、濃いめの赤ワインを2種類。
この他にテイスティングはしてないけど、ここは560ランドのピノノワールと750ランドのトスカーナブレンドも作っている。すごい高級感のあるボトル。いったいどんな味がするんだろう。
ちょっとガソリンが入ったところでスパークリング専門ワイナリー、JC LE ROIXまで7キロの道のりを歩き始める。最初はいけるでしょ、と思っていたがぶどう畑の横の道を行けども行けどもたどり着かない。ヒッチハイクを試みるも、誰も止まってくれない。
やっと3キロ手前のワイナリーに着いたのが午後3時。営業時間はおそらく5時まで。というわけで早々に諦めて予定に無かったこのワイナリーBrenaissanceのレストランでテイスティングすることに。スタッフがみんな忙しかったらしく、テーブルに来たのはド新人のウエイターさん。通り一遍のワイン説明があっただけ、ワインの味もあまり好みじゃなかったので残念。唯一、つまみに頼んだピザが美味しかったかな。
時間が来たので初日は終了。レストランでタクシーを呼んでもらって帰ることにした。4人で160ランド。流しのタクシーはまったくいないらしくベテランウエイターさんがPlace to Placeという会社の車を電話で呼んでくれた。帰りはたったの5分。速かったなー、車。
ステレンボッシュの中心にあるショッピングモールで降ろしてもらってお買い物。不完全燃焼気味だったので赤ワインを3本。ピノタージュ、シラー、カベルネ&メルロー。
つまみは半生ビーフジャーキー、焼きチーズとハーブサラダ、マッシュルームと青カビチーズ。ダチョウのステーキ、そして肉団子のトマト煮込み。たっぷり飲んで、しっかり食べて、お腹いっぱい。歩き疲れていたのでそうそうに就寝。
そして次の日は日曜日、歩くことを諦めた僕らはネットでスパークリング専門ワイナリー、JC LE ROIXの予約(予約サイトノリンクはページ下部)、Place to Placeでタクシーの予約をすませた。朝10時からスパークリングの試飲スタート。5種類のスパークリングに5種類のスイーツを合わせるスペシャルテイスティング(80ランド)は思った以上に味のバリエーションもあって楽しかった。塩味のチョコブラウニーとクリーミースパークリング。キャラメルヌガーと濃いめスパークリング。そしてほんのり甘いロゼスパークリングにはいちじくキャラメル。
ほどよく酔っぱらって、外にある畑を見たり、ひなたのテーブルに座ったりして車を待つ。次のワイナリーAsaraまで連れて行ってもらってタクシーはそこでおしまい。ここはあまり説明もしてくれず、淡々と試飲するのみ。あんまり面白みはなかったかな。敷地にある池に写った景色がきれいだった。
ワイナリーのゲートのところでれいちゃんが警備員さんに「乗り合いタクシーが通るよ」という情報をもらったので大通り沿いでしばし待つ。お客さんがいっぱい乗ったハイエース的タクシーが止まってくれて、それに乗った。ひとり10ランド。安い!タクシーは1回200ランドで町からJC LE ROIX、JC LE ROIXからAsaraの2回乗ったので4人で400ランド。全然値段が違う。ステレンボッシュで安く移動するなら乗り合いタクシーと電車を上手く使うといいと思う。
ステレンボッシュの街中まで戻って遅めのランチ。ショッピングセンターの前にある炭焼きレストランDros。スペアリブとステーキの盛り合わせ。炭の香りがたっぷり。
ランチ後、晩ごはんの買物をしようとしてトラブル発生!日曜日はスーパーがどこも14時でクローズ。ちなみにステレンボッシュの日曜日はワイナリーも休みが多い。とりあえず公園の芝生で昼寝。
夕方ホステルの近くにあるガソリンスタンドでたまたま見つけた併設のミニスーパーPick’n Pay。ここが開いていたのでなんとかなったけどこれは焦った。日曜日の罠にはぜひお気をつけを。
そしていよいよステレンボッシュ最終日。土日休みだった駅裏のワイナリーStellekayaに朝一番乗り込む!家族経営の小さな小さなワイナリー。出てくるワインはみんな樽で長い年月ゆっくり熟成されていて、さらに瓶詰めしてからも美味しくなるまで出荷しないというこだわり。 連休明けの朝一番なので全部新しいものを開けて、しかもテイスティングなのにたっぷり注いでくれて。5種類飲んで40ランド。安い。。。
Ntsiki Biyelaさんというとても有名な若手醸造家さん。女の人で、黒人で、というのが珍しいらしいけどそんなことより出てくるワインがどれも優しくて滑らかで余韻が長い。それぞれの味の違いもはっきりしてるし、なによりとっても美味しい。今まで飲んだ赤ワインの中でもトップクラスに美味しいワインでした。ちなみにワイナリーの名前は『星空の家』という意味らしい。
最後の最後でとびきり美味しいワインを飲ませてもらって幸せな気分でホステルに帰り、荷物をまとめて、ちかくのカフェの中庭でランチを食べて、れいちゃんゆうきくんとお別れ。
ふたりはカメルーンに向かう。僕たちはいったんケープタウンまで電車で帰ってモロッコへ向かう。というわけで南アフリカのワインランド、美味しい楽しい思い出がいっぱいの2泊3日だった。めっちゃ楽しかった、ありがとう!また絶対日本で会おうね!
<ステレンボッシュ情報>
・JC LE ROIX(毎日営業) https://www.jcleroux.co.za
・Stellekaya(土日休み) http://www.stellekaya.com
・Place to Place http://www.placetoplace.co.za
・Stumble Inn Backpackers http://www.stumbleinnbackpackers.co.za
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About The Author
Roppei
将来の飲食店開店を目指して大学卒業後、高級スーパーマーケットに就職。野菜売場、乳日配売場を担当して食材の面白さを肌で感じる。鹿児島に移住するタイミングで転職。飲食店向け広告営業をやりつつ、鹿児島の街を元気にする活動に色々参加するうちに鹿児島で自分の飲食店をやりたいと思い始める。飲食店の現場で修業したいと思い、再び東京に。丸の内にある大型繁盛店で基礎基本を叩き込んでいただく。その後、自分の独立したい形に限りなく近い小さくて強いお店を何店舗も運営している会社に転職。2014年10月で退職し、世界一周旅行へ。 日本に戻ったら、鹿児島でワイン居酒屋を開店。鹿児島の街を元気にする活動を再開! facebookはこちら