2年半前の約束。The promise of 2 and a half years ago. / La promesa de hace 2 años y medio.

2年半前、僕は東京都江戸川区小岩にあるシェアハウスに住んでいました。
テレビ番組『テラスハウス』が始まる前のことです。見たことないけど。
そのシェアハウスには僕を含め6人が住んでいました。
日本人が5人、そして最古参のボリビア人が1人。それがベトさん(本名アルベルト)でした。
当時、丸の内のレストランで働いていた僕は帰って来るのがだいたい12時半くらい。
ベトさんとは時々夜中のリビングでお酒を飲んでいろいろ話していました。
しばらくたった夏のある日、ベトさんが「ボリビアに帰る」と話してくれました。
ベトさんを囲んでシェアハウスのみんなで撮った写真は今も宝物です。
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当時できたばかりの東京スカイツリーで「Alberto」の名前を彫ってもらったペアグラスもみんなでプレゼントしました。
たぶん当時は軽い気持ちで言ったのかもしれません。
リビングに置いてあった地球儀を見ながら「いつかボリビアに行くからね」と僕は言いました。
ベトさんは「わかった。ボリビア来たらいっぱい案内するからね」と言ってくれました。
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2015年2月、僕は奥さんと2人でベトさんが住んでいるボリビアの首都スクレにいました。
お昼の12時に待ち合わせしよう、とベトさんが言った公園の周囲はカーニバルの人手で見事に埋め尽くされていました。
なんとか人ごみを突破して公園の中心で待っていました。
「ベトさん、こんなに人がいるけど分かるかな?」と一抹の不安を感じた数分後、笑顔で走って来るベトさん。
ちょっと感動。その前にウユニから電話して話してたけど、でも感動。
おたがいに約束を覚えていて、でもおたがいに実現するなんて思ってなくて。
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早朝に着いて仮眠しかとってなかったけど、ベトさんと一緒にスクレの街をいろいろ回りました。
郵便局行って日本にハガキを出して、ATM(Banco Fieが手数料少ない)行ってお金を下ろした後は、まずメルカド。スクレで国立大学に通っているベトさん行きつけのチョリソーサンド屋さん。
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狭い店内にたっくさんの女の人たちが働いています。でっかい豚肉チョリソーをたっぷりの油で揚げ焼きしてパンにはさんで野菜を入れて。でっかいチョリソーは油の中でギュッと縮んで、でも肉汁はちゃんと中に閉じ込められてて、かむとジュワッとあふれてきます。チョリソー2本入りで13ボリビアーノ(250円くらい)。
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そしてもう一つ、行きつけのお店。フルーツシェイクとパフェのお店。
フルーツが所狭しと並べられたカウンターの中で女の人たちが作ってくれます。
ベトさんおすすめのフルーツがトゥナ(サボテンの仲間、黄色と緑がある)そしてチェリモヤ。
チェリモヤは日本でも高級フルーツ店で置いてあることが多い、なので迷わずチェリモヤシェイクをチョイス。
奥さんはフルーツパフェ。ベトさんはトゥンボというパッションフルーツとマンゴーが混ざったようなフルーツのシェイク。
グラスにたっぷり2杯分。ボリビアのジュース屋台はどこもだいたい2杯分のおかわり付きが常識らしい。
地元の恋の歌にも「なぜ君は一度きりで僕の前から消えてしまうの?おかわりはないの?」という歌があるほど(なんだそりゃ)。
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メルカドを出て、今度はベトさんの車でドライブ。
ベトさんの住んでいるおうちでお姉さんや甥っ子くんたちに会った後は、
ベトさんが所属していたサッカークラブのスタジアム、
町外れの山から見渡すスクレの全景、
ベトさんが今、通っている大学。昔、通っていた高校。
「Japon」という名前のついた地区。通りの名前もTokioとかYamagataとか。
途中で買った美味しいビール「Pasena パセーニャ(ラパス産という意味)」を僕だけ飲みながらの贅沢なドライブ。
ベトさんの高校のそばにあるツーリストにも人気の展望台はすごく綺麗でした。
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いったんホテルに戻って、また夜。ベトさんが車で迎えに来てくれてご飯を食べに出かけました。
行ったお店は「El Gaucho」スペイン語でカウボーイという意味。
ベトさんが生まれたのはスクレの南、パラグアイやアルゼンチンとの国境地帯。
グアラニーという言葉を話すチェケーニャという民族の村。
チェケーニャもカウボーイの一族。馬に乗って、牛を飼って暮らしています。
美味しいボリビアワインも出来るこの地域。旨いワインを飲みながら旨い肉を食う。その地域のシンプルな肉料理を出してくれるお店です。
注文したのはこのお店の名物「牛肉のチョリソー」そして「牛フィレ肉の炭火焼ステーキ」
ステーキには4種類のソースとサラダ、チーズリゾットとパン、そしてごろっとでっかいフライドポテトがたっぷりついてきました。
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飲んだのは僕だけ赤ワイン。そして飲食店でしか流通していないというジュース「Jugo del Villa」のトゥンボ味(ビンは同じですが王冠になに味かが書かれています)。これがまた旨かった!スクレ行ったらぜひぜひお試しを。
ステーキは全長30センチの超特大サイズ。焼き方は5段階からミディアムを選んだのですが焼き加減も絶妙。
お腹いっぱいになってもまだ食べたい。口の中にずっと置いておきたいと思うくらいしっかりした旨味の赤身ステーキでした。
最後に焼いているところを見せてもらいました。シンプルに炭火、だけど炭火との距離をいろいろ動かしながら焼いていました。表面が焼けてきたら塩をふる。最後にレモンをかける。それだけなのにめちゃめちゃうまかった。出来るならもう一度行きたいと思う。そんなお店でした。
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約束通りスクレの街をたっぷりと案内してくれたベトさん。
心もお腹も大満足。
「カウボーイは必ず約束を守る」という言葉どおり。
でもこれだけじゃありませんでした。2日目に続きます。